「江沢民氏死去」 3ヶ月後に取消し

2012年7月8日誤報レポートメディア:ジャンル:,

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【産経】 2011/7/7電子版号外「江沢民氏死去」、 大阪版夕刊1面「江沢民前中国主席死去 84歳」、 2011/7/8東京版朝刊1面「『江沢民前主席死去』日中関係筋」 江沢民・前中国国家主席が北京市内の病院で死去したと報じられた。しかし、実際には死去しておらず、約3ヶ月後に公の場で健在な姿を見せた。

 産経新聞は、2011年7月7日付電子版号外、大阪版夕刊1面、8日付東京版朝刊1面で、「江沢民氏が死去」などの見出しをつけ、中国の江沢民前国家主席が7月6日、84歳で死去したと報じた。

 しかし、江氏が7月6日に死去したという事実はなかった。

 中国政府は7月7日、国営新華社通信を通じて「完全なうわさ」と否定。
 産経新聞は、同年10月10日付朝刊で、誤報であったことを認め、見出しと記事を取消し、おわび記事と報道の経緯を説明する記事を掲載。10月13日、役員3名を減俸処分としたと発表した。

▼産経新聞2011年10月10日付東京版朝刊1面の「おわび」(左)、3面の説明記事(右)。


original

江沢民前国家主席死去 84歳 改革開放路線を推進』

 

中国の江沢民前国家主席が6日夕、北京で死去したことが7日分かった。日中関係筋が明らかにした。84歳だった。遺体は北京市内の人民解放軍総医院(301病院)に安置されているとみられる。関係者は「脳死」と話している。

江氏は1989年から2002年まで中国の最高指導者である共産党総書記を務め、改革開放路線を推進して高度経済成長を実現する一方、貧富の格差拡大を生み出した。次期最高指導者と目される習近平国家副主席の有力な支持者でもあり、江氏の死去は今後の政局や日中関係にも影響を与えそうだ。(以下、省略)

(産経新聞2011年7月7日付大阪版夕刊・1面)

 

「江沢民前主席 死去」日中関係筋 中国政府は否定』

 

中国の江沢民前国家主席が6日夕、北京市内の病院で死去したもようだ。日中関係筋が明らかにした。84歳だった。中国当局は死去を公表しておらず、病死報道も強く否定している。生命維持装置などを使って心肺停止状態の江氏に“延命工作”を施している可能性もある。

江氏は1989年から2002年まで中国の最高指導者である共産党総書記を務め、改革開放路線を推進して高度経済成長を実現する一方、貧富の格差拡大を生み出した。次期最高指導者と目される習近平国家副主席の有力な支持者でもあり、江氏の死去は今後の政局や日中関係にも影響を与えそうだ。(以下、省略)

(産経新聞2011年7月8日付東京版朝刊・1面)


evidence
  1.  江沢民氏はその後に開かれた北京の人民大会堂で開かれた式典に参列し、健在な姿を見せた

2011年7月6日、香港のATVテレビ局が、中国の前国家主席・江沢民氏が死去したと速報を出したが、7日、国営の新華社通信(英字版)は「完全なうわさ」(pure rumor)と否定。(1)

その後も要人の告別式に哀悼の花を送ったなどと動静が伝えられていた。(2)

2011年10月9日、北京の人民大会堂で開かれた式典で、中国の前国家主席・江沢民氏は、胡錦濤国家主席らとともに参列し、その姿も写真で公開された。(3)

大阪版夕刊

▲産経新聞2011年7月7日付大阪版夕刊1面(左)、2面(右)。2面には、新華社通信が「完全なうわさ」と否定した共同通信の記事も載っていた。

 

▼産経新聞2011年7月8日付東京版朝刊1面(左)、2面(右)。1面は「中国政府は否定」の見出しを入れ、2面の解説記事も大阪版夕刊に比べ扱いは小さくなっていたが、中国当局が情報操作している可能性を指摘し、死去を前提として報道していた。

東京版朝刊


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<初掲載>
2012/7/8 16:30

<修正>
2012/7/9 00:10
※出典(1)(3)を差し替えました。