「デモで警察官殴る」 無実証明も続報なし

2012年4月20日誤報レポートメディア:ジャンル:,

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産経】2011/9/24朝刊「デモ参加者が警察官を殴る」デモに参加していた男性が警察官に殴ったとして現行犯逮捕されたと報じられた。しかし、実際は、逮捕直前に殴っていなかったことを証明するビデオがあり、不起訴になったが、続報はなかった。

産経新聞は、2011年9月24日付朝刊の東京版地方面で、「デモ参加者が警察官を殴る」「容疑の男を逮捕」の見出しをつけ、デモ参加中に警察官の後頭部を殴ったとして、公務執行妨害の現行犯で氏名不詳の男を逮捕したと報じた。

しかし、逮捕された男性は、幟旗を両手で持って行進していただけであり、警察官に体をぶつけたり、殴るなどの暴行を加えていなかった。
男性は、逮捕後、新宿警察署で勾留されたが、10月4日に釈放され、不起訴処分となった。
逮捕当時、現場には多数の目撃者がおり、9月28日には男性の無実を証明するビデオ映像が公開された。

しかし、産経新聞は、本事件の訂正や続報を出さず、2012年4月19日現在、ニュースサイト「MSN産経ニュース」に掲載したままになっている。(i)


original

 

デモ中に警察官殴った疑い 男を逮捕 警視庁』

 

デモ中に警察官を殴ったとして、警視庁新宿署は23日、公務執行妨害の現行犯で住所・職業・氏名不詳の男を逮捕した。同署によると、男は黙秘している。

逮捕容疑は、23日午後3時10分ごろ、東京都新宿区歌舞伎町の区役所前の路上で、「差別・排外主義にNO!9・23行動実行委員会」が主催するデモに参加した際、警備中の男性警察官の後頭部を右腕で殴ったとしている。

同署によると、男は殴る前、この警察官に体をぶつけ、警告を受けていた。警察官にけがはなかった。

(産経新聞、2011年9月24日付朝刊、東京版地方面、1段)


evidence
  1. 逮捕の瞬間を撮影したビデオ映像で、男性が警察官を殴るなどの暴行をしていなかったことが証明された

 2011年9月23日午後、東京の新宿で「差別・排外主義にNO!9・23行動」という集会とデモがあり、逮捕された男性の後ろを歩いていた参加者が、逮捕時の様子をビデオに撮影していた。(1)

 

ビデオ画像

▲逮捕の瞬間をとらえたビデオの画像。男性が幟旗を掲げようとしたところ(上の写真)、その直後に何者かが男性の右腕を掴んだ様子が映っている(下の写真)。この後すぐ、男性は複数の警察官に取り押さえられた。

 

そのビデオ映像によると、男性は、デモ行進中、「東電前アクション」と書かれた黄色の幟旗を両手で持ったまま沿道側に向けて掲げようとした瞬間、複数の警察官に取り押さえられ、路地に連れて行かれ、逮捕されていた。

ビデオ映像には、男性が警察官に体をぶつけたり暴行を加えた様子もなく、不意に後頭部を殴られた警察官も映っていなかった。

記事では「警備中の警察官の後頭部を右腕で殴った」となっているが、そもそも男性は両手で幟旗を持っていたため、警察官を殴ることは不可能であった。

逮捕当日午後6時ごろには、男性が留置された新宿警察署前で抗議活動が行われていた。(2)
9月28日には、男性の無実を証明するビデオ映像がインターネット上で公開されていた。(ii)

 

▼ニュースサイトに掲載されたままの逮捕時の記事(2012年4月19日現在)。2012年4月29日までに削除されたことが確認された。

MSN産経ニュースの記事

<配信>
2012/4/20 04:00

<加筆>
2012/4/29 18:40
※注釈(i)を加筆しました。