脱原発集会で大江健三郎氏あいさつ 真意誤り訂正

2013年3月12日訂正報道一覧メディア:ジャンル:, , テーマ:,

東京新聞2013年3月12日付朝刊30面

東京新聞2013年3月12日付朝刊30面

【東京】 2013/3/10朝刊10面「脱原発の原点 大江健三郎さんら訴え 『福島の願いは私たちの思い』」

東京新聞は、原報道で3月9日東京都で催された集会「つながろうフクシマ!さようなら原発大行動」で作家、大江健三郎氏のあいさつを報じた際、小説家の林京子氏に言及した部分で「林さんは『内部被ばく』という言葉は被爆者に恐怖を呼び起こすとして、その言葉を使う役人の無神経さに涙を流したという」としたのは涙の意味が全く逆で、大江氏と林氏の真意を誤っていたとする訂正記事を掲載した。

訂正記事は、大江氏から誤りを指摘され、正しくは「これまで『内部被曝』を公式に認めなかった政府に、彼らは知っていたのだと無念と怒りの涙を流したこと」を紹介したものだったとしたうえで、大江氏のあいさつの草稿全文を掲載した。

原報道は、次のように報じていた。

 明治公園で午後始まった集会では、参加者は冒頭、一分間の黙とうをささげた。
 作家の大江健三郎さんは「福島の原発事故の直後から、一斉に原発ゼロという声が高まった。私が生まれてから味わったことのない、統一された日本人の声だった」と振り返った。
 さらに「私は作家をやっている。文学の側からの表現を伝えたい」と言い、長崎で被爆した小説家の林京子さんの作品の一節を紹介した。林さんは『内部被ばく』という言葉は被爆者に恐怖を呼び起こすとして、その言葉を使う役人の無神経さに涙を流したという。
 大江さんは「福島のことは日本人が得意な台詞(せりふ)『なかったことにする』ということは絶対にできない。広島、長崎、福島をなかったことにしようとした連中とは戦う」と力を込めた。(以下、略)

 

東京新聞2013年3月12日付朝刊30面の訂正記事とともに掲載された大江健三郎さんのあいさつ草稿全文

東京新聞2013年3月12日付朝刊30面の訂正記事とともに掲載された大江健三郎さんのあいさつ草稿全文

なお、大江氏の草稿全文には「福島の新しい被爆者」という表現が2か所あるが、東京新聞は、当機構の問い合わせに対し、火偏の「爆」を用いたのは大江氏の草稿原文に記載されていたとおりで、大江氏の意思を尊重してそのまま掲載した(他方、「内部被曝」については日偏の「曝」を用いた)としている。

(2013/3/12掲載、2013/3/14加筆)