日本史教科書 都教委「不適切」見解に同調した県を訂正

2014年1月22日訂正報道一覧メディア:ジャンル:, テーマ:

朝日新聞2014年1月22日付朝刊3面

朝日新聞2014年1月22日付朝刊3面

【朝日】 2014/1/18朝刊3面「都知事の力(下)最強自治体の波及力」
(訂正事項) 歴史教科書をめぐる各教育委員会の対応


朝日新聞は1月18日付朝刊で、東京都知事選に関する連載「都知事の力(下)最強自治体の波及力」を掲載した。その中で、猪瀬直樹知事のもとで、都教委が特定の日本史教科書を「不適切」と通知し、その後「神奈川県教委や埼玉県教委が同調した」と指摘。しかし、埼玉県教委はこの教科書の採択を決定していたとして、22日付朝刊で訂正記事を掲載した。

18日付記事は、石原慎太郎知事がディーゼル車の走行を規制する条例を制定したことをきっかけに、埼玉、千葉、神奈川の各県も同様の条例制定が続いた例などを紹介したもの。「教育では、都知事の影響力はさらに大きい」として、石原知事のもとで都教委が教職員に日の丸の掲揚・君が代の起立斉唱を義務つける通達を出し、その後、大阪府の橋下徹知事も教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例制定が行われた例を指摘。さらに、猪瀬知事のもとで、特定の日本史教科書を「不適切」と通知し、他の自治体の教委が「同調」した事例を取り上げていた。

朝日新聞2014年1月18日付朝刊3面(赤で囲んだ部分が訂正箇所)

朝日新聞2014年1月18日付朝刊3面(赤で囲んだ部分が訂正箇所)

 … 実際、東京の教育施策は大阪に影響している。1999年に国旗・国歌法が成立した後の03年、石原氏が教育委員を任命した都教委は、教職員に日の丸の掲揚・君が代の起立斉唱を義務づける通達を出した。現場の教職員から「現場への圧力だ」と声があがるなか、応じない教職員には減給や停職の懲戒処分を出した。
 橋下氏は大阪府知事時代の11年、公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例を制定。12年3月には、橋下氏の大学時代の同級生で当時は府立高校長だった中原徹氏(43)が、卒業式で君が代を斉唱しているか口元をチェックするよう指示した。中原氏は、石原氏が立ち上げた「教育再生・東京円卓会議」の会合に招かれたこともある。
 猪瀬知事のもとでは、都教委が特定の日本史教科書を「不適切」と通知し、その後神奈川県教委や埼玉県教委が同調した都教委の動きが各地に広がるなか、国の教育行政も共鳴する。
 「東京や神奈川の実績を検証し、全国の高校生に持っていくことが望ましい」。安倍晋三首相(59)のもとで文部科学相を務める下村博文氏(59)は7日、日本史必修化の検討について記者会見で語った。…(以下、略)…
(朝日新聞2014年1月18日付朝刊3面「都知事の力(下)」より一部抜粋)

都教委は昨年6月27日、実教出版の高校日本史の教科書の記述の一部に都教委の考えと異なる部分があるとして「使用することは適切ではない」との見解を発表しており、朝日新聞はこの件を取り上げたとみられる。

各紙報道によると、神奈川県教委も昨年7月下旬、この教科書の採択を希望する校長に再考を求め、その結果、同県では採択ゼロとなった。一方、埼玉県では8月22日、各出版社の記述を一覧にした「指導資料集」の併用を条件に8校でこの教科書の使用を採択。その後、県議会文教委員会が再審査を求める決議を行い、県教委トップの清水松代委員長が辞任する事態となった。後任の委員長が採択した8校を公表し、再審査は行わない方針を決めている。

平成26年度使用都立高等学校(都立中等教育学校の後期課程及び都立特別支援学校の高等部を含む。)用教科書についての見解 (東京都教育委員会 2012/6/27)
神奈川県知事 定例記者会見(2013年7月31日)概要 (神奈川県 2013/8/1)
教育委員会による高等学校教科書採択への不法不当な介入に抗議する声明 (東京歴史科学研究会 2013/11/21)
執筆者の見解 (実教出版『高校日本史A』『高校日本史B』執筆者一同 2013/9/18)

(2014/1/25掲載)