上海の期限切れ肉 米国系企業と伝えず報道

2014年7月24日注意報一覧メディア:, ジャンル:, , , , ,

▼中国・上海で使用期限切れ鶏肉の加工が発覚した会社は、米国の大手食品加工会社の中国現地法人だったが、産経新聞は23日付朝刊で、純粋な中国企業で起きた不祥事であるかのように報じていた。(追記あり)

【読売】 2014/7/23朝刊39面「マック、ファミマ販売中止 中国産ナゲット 期限切れか」【産経】 2014/7/23朝刊1面「マクドナルド、ファミリーマート ナゲットを販売中止 上海から使用期限切れ鶏肉」、同10面「使用期限切れ鶏肉 日本KFCは取引なし」、2014/7/24朝刊2面「主張 中国食品リスク 国際常識を守れないなら」、同26面「上海食品会社の輸入停止 期限切れ鶏肉 厚労省『異常発見難しい』」

《注意報1》2014/7/24 13:00

《追記》2014/7/25 11:00


《注意報1》2014/7/24 13:00

中国・上海の食品加工会社が使用期限が切れた鶏肉を加工していたとされる問題で、主要メディアは7月23日、日本マクドナルドとファミリーマートがこの会社から調達していたチキンナゲットの販売を中止したと発表したことを一斉に報じた。問題が発覚した「上海福喜食品」は、米国に本社をおく大手食品加工会社「OSIグループ」の中国現地法人で、OSIグループは21日の段階で責任を認め、謝罪声明を出していた。だが、産経新聞と読売新聞は23日付朝刊で、米国の食品加工会社の現地法人であることに全く触れずに報じており、純粋な中国の会社で起きた不祥事との誤った印象を与えるおそれがある。

マック、「チキンナゲット」の2割が期限切れ鶏肉使用か 問題の上海の業者から輸入 (MSN産経ニュース 2014/7/22 17:09)
期限切れ鶏肉 根深い中国リスク 日本KFCは取引なし (MSN産経ニュース 2014/7/23 10:45)
主張:中国食品リスク 国際常識を守れないなら (MSN産経ニュース 2014/7/24 03:08)

産経新聞2014年7月23日付朝刊1面(左)、10面(右)

産経新聞2014年7月23日付朝刊1面(左)、10面(右)

産経新聞は23日付朝刊で、この問題について1面「ナゲットを販売中止 上海から使用期限切れ鶏肉」、10面「使用期限切れ鶏肉 根深い中国リスク 日本KFCは取引なし」、28面「『信じられない』『なぜ流通』 期限切れ鶏肉 消費者に困惑広がる」で取り上げて報道。問題が発覚した企業「上海福喜食品」について、「中国・上海の食品会社」「中国の食品会社」「中国企業」といった表現で報じ、どの記事にも米国の食品加工会社の現地法人であることに触れた箇所はなかった。同紙は24日付で「中国食品リスク」との見出しでこの問題を取り上げた社説でも、米国の会社の現地法人であることに言及せずに「中国・上海の食品会社」で起きた問題として論評、同日付3面の記事で「OSIの子会社」であることに触れるにとどまっていた。

OSIグループの中国法人のページ英文〕 (OSI Group)

米国企業「OSIグループ」の中国現地法人の紹介ページ(一部抜粋)

米国食品加工企業「OSIグループ」の中国現地法人の紹介(ホームページより一部抜粋)

OSIグループの中国名は「福喜集団」。OSIグループのホームページによると、同グループには、中国・上海で中国事業を統括している「欧喜投資(中国)有限公司」のほか9つの現地法人があり、今回問題となっている「上海福喜食品」はその一つ。ホームページには、問題が発覚した直後の7月21日付で発表したOSIグループ名での謝罪声明と、グループのCEO兼オーナーであるシェルドン・ラビン氏の声明が掲載されている。ちなみに、NHKは、「中国・上海の食品加工会社『上海福喜食品』は、アメリカ・イリノイ州シカゴ近郊に本社を置く食品加工会社、OSIグループの100%子会社」と伝えている。

OSIグループの声明(2014年7月21日) (OSI Group)

OSIグループの声明(2014年7月21日)

OSIグループホームページより一部抜粋

OSIグループCEO兼オーナーの声明(2014年7月24日) (OSI Group)

OSIグループオーナーの声明

OSIグループホームページより一部抜粋

読売新聞も23日付朝刊39面の記事でこの問題を取り上げ、「中国・上海の食品加工会社」と報じていたが、23日付夕刊の続報で、米国の会社の現地法人であることに言及していた。他方、朝日新聞は23日付朝刊1面の記事で「疑惑が浮上したのは米食品会社OSIグループで中国・上海の食品会社『上海福喜食品』」と表現。毎日新聞は23日付朝刊1面の記事で「中国の食肉加工会社『上海福喜食品』」と表記していたが、社会面の記事で「上海福喜食品」が米食肉加工会社の現地法人であることを説明していた。

上海福喜食品が使用期限が切れた鶏肉を加工していた問題は、20日放送された現地・上海テレビの調査報道で判明し、時事通信はいちはやく「不正を行っていたのは、米食肉大手OSIグループの中国法人『上海福喜食品』」と報じていた。



(*) 読売新聞は24日付朝刊で「上海にある米系食品加工会社『上海福喜食品』」、25日付朝刊で「上海にある米食肉大手OSIグループの子会社『上海福喜食品』」と表記している。産経新聞も25日付朝刊で「米食品大手の中国法人『上海福喜食品』」「中国の米系食品会社『上海福喜食品』」と表記し、従来の表記を修正している。(2014/7/25 11:00追記)