「集団的自衛権を支持」 カンボジア外務省が否定

2014年7月3日注意報一覧メディア:, ジャンル:, テーマ:

▼カンボジアの外相が集団的自衛権を容認する日本の方針に支持を表明したかのような一部報道について、カンボジア外務省が否定する声明を出している。

【毎日・共同】 2014/7/1朝刊5面「集団的自衛権 カンボジア外相 安倍政権支持」

《注意報1》2014/7/3 18:40


《注意報1》2014/7/3 18:40

毎日新聞は7月1日付朝刊で「集団的自衛権 カンボジア外相 安倍政権支持」と見出しをつけ、カンボジアのハオ(ホー)・ナムホン副首相兼外相が岸田文雄外相と会談した際、安倍政権による集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の変更や自衛隊の活動範囲拡大に支持を表明したかのように報じた。記事は共同通信が配信し、毎日新聞のほか一部の地方紙も掲載した。しかし、カンボジア外務省は同日、ハオ外相は「自衛隊」や「集団的自衛権」に言及しておらず、日本の「平和政策」への支持を表明しただけだとの声明を出している。

毎日新聞2014年7月1日付朝刊5面

毎日新聞2014年7月1日付朝刊5面

共同通信英文記事:Cambodia backs enhanced security role for Japan (Global Post 2014/7/1)

Cambodian Foreign Minister Hor Namhong expressed support Monday for Japan’s plan to give its Self-Defense Forces a greater role to contribute to global peace and stability, Japanese Foreign Minister Fumio Kishida said after meeting with his counterpart in Phnom Penh. …(以下、略)…

共同通信が7月1日配信した英文記事では、「カンボジアが日本の安全保障の役割拡大を支持」(Combodia backs enhanced security role for Japan)と見出しをつけ、ハオ外相が国際平和と安定のために自衛隊により大きな役割を与える日本の方針に支持を表明したと報じていた。

これに対し、カンボジアの外務省はホームページ上で、ハオ外相の発言が誤って引用されているとして共同通信の記事を強く否定する内容の声明を発表。ハオ外相は会談や記者会見で「自衛隊」や「集団的自衛権」に言及していないことを指摘した上で、日本の平和政策や軍事力の不使用、国際法に従った地域の紛争解決に支持を表明しただけだと説明している。

プレスリリース (カンボジア王国外務省 2014/7/1)
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他方、日本の外務省がホームページで発表した日カンボジア外相会談の概要によれば、岸田外相が「国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献する日本の『積極的平和主義』及びその立場から実施している取組」を説明し、ハオ外相から「積極的平和主義」への支持が表明されたとしている。ただ、ハオ外相から「積極的平和主義の立場から実施している取組」や自衛隊の役割拡大、集団的自衛権に対する支持が表明されたとは書かれていない。外務省南東アジア第一課の担当者に確認したところ、ハオ外相から「積極的平和主義」への支持があったのみで、自衛隊の役割拡大や集団的自衛権を支持する発言はなかったとしている。

安倍政権は昨年12月、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から「国家安全保障戦略」を策定。日本の防衛力や日米同盟の強化などに取り組むとしているが、同戦略には集団的自衛権については明記されていない。

岸田外務大臣のカンボジア訪問(概要と評価) (外務省 2014/7/1)

(1)日・カンボジア外相会談,ハオ・ナムホン副首相兼外相主催昼食会
 ア 冒頭,ハオ・ナムホン副首相兼外相から,岸田大臣の訪問を歓迎する,これを機に日カンボジア間の「戦略的パートナーシップ」を一層強化したい旨述べた。岸田大臣から,今回の訪問を通じ,昨年両国首脳間で合意した「戦略的パートナーシップ」を推進したい,二国間関係のみならず,地域・国際場裡の課題についても連携を強化したい旨述べた。
 イ 二国間関係
岸田大臣から,改めて,国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献する日本の「積極的平和主義」及びその立場から実施している取組を説明し,ハオ・ナムホン副首相からは,「積極的平和主義」への支持が表明された。…(以下、略)…

日本の安全保障政策 (外務省 2014/5/23)