割烹着とピンク実験室「理研広報の演出」は誤報

2014年4月11日注意報一覧メディア:, ジャンル:テーマ:

▼小保方氏が着ていた割烹着とピンクの実験室は理化学研究所広報のメディア向け演出だったかのように中日・東京新聞が報じたが、広報は事実と異なるとして抗議していた。

【東京】 2014/3/15朝刊3面「STAP細胞 論文白紙 大物ぞろい 残る謎」【中日】 2014/3/15朝刊3面「STAP疑惑底なし メディア戦略あだに」

《注意報1》2014/4/11 12:30


【特集】STAP論文報道の検証

《注意報1》2014/4/11 12:30

理化学研究所のSTAP細胞論文問題をめぐって、中日新聞と東京新聞は3月15日、論文発表の記者会見の際、論文執筆者のリーダーである小保方晴子氏が着ていた割烹着やピンクや黄色の実験室を、理研の広報チームらが1ヶ月前から準備し、メディア向けに「演出」したかのように報じた。しかし、実際は、いずれも論文の発表会見に備えて用意したものではなかった。実験室の改装は昨年10月に終わっており、割烹着は3年前から小保方氏が着用していたものだという。理研は両紙を発行する中日新聞社に事実と異なるとして抗議。しかし、中日新聞の電子版記事は訂正されずに掲載されたままになっている。

STAP疑惑底なし メディア戦略あだに (中日新聞2014/3/15)

中日新聞2014年3月15日付朝刊3面

中日新聞2014年3月15日付朝刊3面

■演出
意表を突くアイデア、人工多能性幹細胞(iPS細胞)をしのぐ実用性…。世界を驚かせた論文は、若い小保方氏をみこしにかついだ腕自慢の面々による共同作業だった。
笹井氏は小保方氏を大舞台に押し上げようと奮闘。会見に備え、理研広報チームと笹井氏、小保方氏が1カ月前からピンクや黄色の実験室を準備し、かっぽう着のアイデアも思いついた。…(略)…
■暗転
だが暗転はすぐだった。メディア戦略は理研幹部が「予想を上回った」と驚く成功を収めた。あまりに目立ちすぎたため、疑惑探索の専門家が早速、動きだした。…(以下、略)
(中日新聞2014年3月15日付朝刊より一部抜粋。東京新聞同日付朝刊にも同じ記事あり)

理研の発生・再生科学総合研究センター(CDB)国際広報室の泉奈都子氏によると、小保方氏はユニットリーダーに着任した2013年3月以降に実験室の改装計画を進め、同年10月までに工事は完了したという。部屋の機能が一目でわかるように壁を色で塗り分けたのは小保方氏の着想。たとえば培養室にはピンク色が塗られた。小保方氏も4月9日の会見で、ピンク色の実験室は「私がユニットリーダーに着任して研究室を用意している段階でできたもの」と説明している。

また、小保方氏が実験時に割烹着を着ていたことは、理研の広報担当者は当日初めて知ったという。小保方氏は、4月9日の会見で3年ほど前から実験時に着ていたものと説明。「あまりに予想外な報道だったので怖かった」と吐露していた。小保方氏は2011年からCDB研究員に着任している。

小保方氏らは1月28日の記者会見で、STAP細胞作製論文が英科学誌ネイチャーに掲載されたと発表。主要メディアは、ピンク色などで塗られた部屋で割烹着姿で実験している小保方氏の様子にクローズアップして報道した。泉氏によると、実験している様子を公開したのは、こうした研究発表時はメディアから必ず実験している様子など「絵」になる撮影を求められることを予想し、個別対応を避けるため、会見後に撮影する時間帯を設けたという。

東京新聞も1月30日付夕刊1面で「かっぽう着の異彩リケジョ 小保方さん 実験室ピンク/スッポン飼育」と見出しをつけて、小保方氏の割烹着姿や実験室の色にクローズアップした報道を行っていた。

◆小保方氏の割烹着姿やピンク色の実験室に焦点を当てた東京新聞の記事

東京新聞2014年1月30日付夕刊1面

東京新聞2014年1月30日付夕刊1面

中日・東京新聞が「会見に備え、理研広報チームと笹井氏、小保方氏が1カ月前からピンクや黄色の実験室を準備し、かっぽう着のアイデアも思いついた」と報じたのは3月14日。論文の不備問題について理研が調査の中間報告の記者会見を開いた翌日だった。この報道はインターネット上でも反響が大きく、小保方氏の割烹着姿などが、理研の広報を中心にしたメディア戦略として用意、演出したものであったかのような誤解が広がっている可能性がある。小保方氏の記者会見でも、そうした誤解を前提とした質問がなされていた。

理研は記事を掲載した中日新聞社側に「事実では全くない」として抗議。東京新聞は学術会議会長の談話を報じた小さな記事の中で「色彩豊かな実験室やかっぽう着姿の着用」は「広報部門は関与していなかった」ことや「ピンクに塗り上がった研究室は昨年十月に仕上がった」という事実を報じただけで、明確な訂正記事は出していない。

東京新聞2014年3月20日付朝刊2面

東京新聞2014年3月20日付朝刊2面

■小保方晴子氏記者会見(2014年4月9日) ※日本報道検証機構取材・提供の記者会見動画を参照

Q.ちょっと違う質問になってしまうかも知れないんですが、このSTAP現象から離れてですね、小保方さんが会見で答えられないと、そういう時間が長かった中で、あの、まぁ、かわいこぶりっ子とか、例えば割烹着を着ていると、いうような報道が一部ありました。そういった時、小保方さんはどういう風に思われていましたか?
A.私が割烹着を着ているという報道を見たときの感想ですか?皆さん面白いところに興味を持つなぁとは思いました。はい。
Q.そこで不満とか、不安とか、そういったことは感じませんでしたか?
A.そうですね、あまりにも予想外な報道だったので、恐ろしかったです正直。はい。
Q.今の割烹着にちょっと関連することでですが、あの報道が大々的になされて、異様なまでのムードになりました。あれに関してですね、ある報道ではですね、理研がですね、割烹着だったりとか、ピンク色の実験室を用意したというか、PRのために用意したという声もありましたが、それについて、元々小保方さんが昔からやっていたものなのか、それとも理研が急場で出したものなのか。もしそうでなければ、いつ頃から割烹着とかピンクの部屋を用意して実験をしていたのかというのを教えて下さい。
A.割烹着は3年程前から着て実験をしておりました。もう4年くらい…3年くらいかと思いますけれども。ピンクの実験の部屋に関しましては、私が、ユニットリーダーに着任して、研究室を用意している段階でできたものです。