「陸自新設部隊、石垣で最終調整」 防衛省否定

2014年3月1日注意報一覧メディア:ジャンル:,

▼防衛省が、陸上自衛隊で新設される警備部隊の配備地として石垣市の2ヶ所を挙げ、最終調整に入っていると琉球新報が報じた。これに対し、防衛相らは「候補地は現在調査中」「石垣に絞った事実はない」と否定している。(続報あり)

【琉球新報】 2014/2/23朝刊1面トップ「陸自、石垣に2候補地 防衛省が来月決定」

《注意報1》2014/2/26 07:00

《追記》2014/2/28 18:20

《注意報2》2014/3/1 21:30


《注意報1》 2013/2/26 07:00

琉球新報は2月23日付朝刊1面トップで「陸自、石垣に2候補地 防衛省が来月決定」と見出しをつけ、防衛省が、陸上自衛隊に新設する警備部隊の配備地として石垣市の2ヶ所を挙げ、最終調整に入っていると報じた。これに対し、菅義偉官房長官は24日、「このような事実は全くない」と報道を否定。小野寺五典防衛相も25日の会見で「候補地は現在調査中であり、最終調整などという事実はない」と述べている。防衛省は24日、官房長名で琉球新報社に文書で訂正を申し入れたが、28日現在回答はないという。

政府は昨年12月策定した5年間の「中期防衛力整備計画」(次期中期防)で、南西諸島の防衛態勢強化のため、与那国島に「沿岸監視部隊」を配備するほか、南西諸島に「警備部隊」の新設を決定。防衛省が警備部隊の候補地選定に向けて調査を始めていた。

その行方について、23日付琉球新報は、石垣島の八島町新港地区と宮良のサッカーパーク「あかんま」の2ヶ所が最終的な候補地になっているとし、同省が3月までに決定すると報じた。記事本文には「宮古島市や奄美大島も含め、3月中に配備先を決定」とも書かれているが、記事全体として石垣島が最終候補地に絞られたような印象を与える内容になっている。

陸自警備部隊、石垣に2候補地 防衛省が来月決定 (琉球新報新報 2014/02/23) ※毎日新聞ニュースサイトにも転載

琉球新報2014年2月23日付朝刊1面

琉球新報2014年2月23日付朝刊1面

この報道に対し、菅官房長官は24日の会見で「このような事実は全くない」と否定した上で、防衛省で鹿児島県の奄美群島と沖縄県の先島諸島中心に調査に着手をしているが、まだ決まっていないとコメント。小野寺防衛相も同日の会見で同様の認識を示した上で、同省が3月までに候補地を決定するとの報道に関しても「年度内に結論を出すというスケジュールがあるわけではなく、あくまでも調査事業が25年度ということ」と述べた。

他方、防衛省の関係者は、日本報道検証機構の取材に対し、陸自の警備部隊の配備先に石垣島が含まれているのかどうかついて「南西諸島全域が候補地なので、含まれていないわけではない」と認め、3月中にある程度絞り込まれることは否定しなかった。ただ、「現時点で石垣島に絞ったという事実もなければ、石垣島の2カ所を候補地に挙げて最終調整しているという事実もない」と強調した。

琉球新報の報道があったのは、任期満了に伴う石垣市長選が告示された日。同選挙には現職の中山義隆氏と元職の大浜長照氏が立候補している。産経新聞の報道によると、小野寺防衛相は23日、岐阜市内で記者団に対し「告示日に事実に反する報道がなされるのは何らかの意図が感じられ、新聞として社会の公器としていかがなものか」と述べたという。沖縄タイムスも24日付朝刊で、防衛省が石垣島の複数の候補地を検討していることを報じたが、小野寺防衛相がまだ決まっていないとコメントしたこともあわせて伝えている。

防衛省は24日付で琉球新報社に訂正を申し入れたほか、新聞協会に対しても「正確・公正さに抵触し、適正な報道を求める」との申入れをしている。

菅義偉官房長官 記者会見(2014年2月24日午前) (首相官邸)

Q.島しょ防衛の一環で、陸上自衛隊の配備先として石垣島の2カ所が候補地になっているという一部報道がありますけれども、事実関係はいかがでしょうか。
A.まず、このような事実は全くないというふうに認識をいたしております。現在、防衛省においてですね、鹿児島県の奄美群島と沖縄県の先島諸島中心に調査に着手をしていますけれども、どの島にどういう部隊を置くかということの結論は、結論を予断するまだ段階にはなっていないということです。
Q.そうしますと、報道にあった2カ所も含めて、石垣島に陸上自衛隊を配備する可能性はないんでしょうか。
A.まず、そうした事実は全くないということでありまして、現在、今申し上げましたように、奄美群島や沖縄県の先島諸島中心に調査に着手している、まだそんな段階です。

小野寺五典防衛大臣 記者会見(2014年2月25日) (防衛省)

Q.防衛省が候補地を検討している石垣島への陸上自衛隊の警備部隊の配備の検討なのですけれども、大臣は報道で挙がった場所については否定されましたけれども、この検討状況の進捗と、そのスケジュール、いつ頃までに結果が出せそうかということをお願いします。
A.今度の新中期防におきましては、南西地域の島嶼部の部隊の態勢を強化するため初動を担任する警備部隊の新編を行うということにしております。このことを踏まえる中で、既に25年度予算、今年度予算でありますが、部隊の配置候補地選定のための、特に陸上自衛隊配備の空白が生じる島嶼部におきまして、沖縄の先島諸島及び鹿児島の奄美群島の有人島を中心に調査業務に着手しております。この調査業務を踏まえて検討していきたいと思っております。
Q.26年度も関連の予算がついているかと思うのですけれども、絞り込まれてきていて近々結果が出せそうだという認識でよろしいでしょうか。
A.これはまだ25年度の予算の中で今調査をしている最中でありますので、その結果を待ってということだと思っています。現時点で決まっているわけではありません。
Q.先島諸島と奄美という具体的に2つおっしゃいましたけれども、そもそも石垣島自体は候補に入っていないという認識でよろしいでしょうか。
A.まだ調査をしている段階でありますので、どの島がというふうに決まっているとは承知をしておりません。
Q.関連なのですが、石垣島というのは調査対象に入っているのでしょうか。もし対象に入っているのであれば何カ所ぐらいそういった調査をされているのでしょうか。
A.現在委託調査業者が調査をしているということでありますので、そこからまだ上がってきておりませんので、私どもとして今答えることは特にないと思います。
Q.関連なのですが、次年度予算は行程表と設計図というか配置場所の設計図などがついているのですが、そうすると場所の選定というのは今年度中に行われるのか、それとも次年度に持ち越して年度途中で決定するのか、どういう手順になるのでしょうか。
A.今行われている委託調査については、25年度の予算執行ということでありますので、その調査報告書が上がったあとで、省内で検討していくということになると思います。ですから、特に年度内に結論を出すというスケジュールがあるわけではなく、あくまでも調査事業が25年度ということであります。

菅義偉官房長官 記者会見(2014年2月28日午後) (首相官邸)

Q.けさ小野寺防衛大臣が閣議後の会見で、琉球新報の報道について、防衛省が申し入れを行った件について、報道の自由はあるが、事実と違うということでの抗議だと説明されました。この件について、受けとめ、所感をお願いします。
A.2月23日の沖縄の地方紙に掲載された石垣島への陸上自衛隊の配備に関する記事は私も正直言って驚きました。全く事実無根のことであります。そして、時期的にも市長選挙の告示日であり、そんなときに事実と全く違うことが報道され、選挙の公正性というものに影響を及ぼしかねないということで、防衛省として日本新聞協会にこの地方紙に対して文書で抗議したと、こういうふうに受けとめてます。

陸自配備の行方左右 石垣市長選告示、保革一騎打ち  (MSN産経ニュース2014/2/24 07:47)

中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度) (防衛省)
※5頁に「与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視部隊を配備する」、7頁に「南西地域の島嶼部初動を担任する警備部隊を新編等する」と記載されている。


(*) 防衛省の琉球新報社への訂正申入れ等を追記。琉球新報社にもコメントを求めたが得られていない。なお、小野寺防衛相は28日の会見で「事実と違う」として「抗議」を申し入れたと答えているが、防衛省の広報担当者は日本報道検証機構の取材に対し、抗議ではなく訂正申入れだと説明している。(2014/2/28 18:20)


《注意報2》 2014/3/1 21:30

琉球新報が2月23日付で防衛省が陸上自衛隊警備部隊の配備先として石垣市の2ヶ所を挙げ、最終調整に入っていると報じたことについて、琉球新報社が28日、「十分な取材に基づいた報道であり、(防衛省による)訂正の申し入れには応じられない」とのコメントを出した。日本報道検証機構が、同社の松元剛編集局次長兼報道本部長のコメント全文を入手した。

コメントは、23日付記事が事実誤認と指摘されたことについて「十分な取材に基づいた報道」と反論しただけで、事実関係の詳しい説明はなされていなかった。一方、菅官房長官や小野寺防衛相が、事実に反する報道が石垣市長選の告示日になされたことを問題視したことについては、申し入れ文書の中に石垣市長選に関連した文言はなく、市長選に関連した申し入れとは受け止めていないと指摘。報道は石垣市長選に関連付けたものではなく、記事の内容も特定の候補者を利するものとなっていないと強調している。

琉球新報の報道をめぐっては28日にも、木原稔防衛政務官が自身のブログで、報道を「悪意ある誤報」「全くの事実無根」と批判し、選挙期間中の訂正記事掲載を要求。石破茂自民党幹事長もブログで「事実誤認の記事が現地紙一面トップに載ったことは極めて問題」などと指摘している。

◆琉球新報社のコメント全文(2014/2/28)

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琉球新報社のコメント(2014年2月28日)

悪意ある誤報 (木原みのる日記)※衆議院議員(防衛政務官)

現在、石垣市長選挙が行われています。
2月23日に公示されており3月2日に投開票となります。
事態は公示日(2月23日)に発生しました。
沖縄県で多くの県民に読まれている琉球新報が朝刊1面トップで大誤報を報じたのです。内容は「陸自、石垣に2候補地」「防衛省が来月決定予定」との見出しで、沖縄県における新しい陸上自衛隊の配備地として新港地区とサッカーパークの2箇所で最終調整に入っているというもの。また、3月までに候補地を決めるとしています。
これらは全くの事実無根です。
選挙の争点に関するデタラメな記事を、選挙公示日の朝刊トップに記載することで、石垣市長選挙に対して特定の影響を与えようとしている悪意が透けて見えます。同新聞社の過去の記事を見るにつけ、社会の公器としての資格に欠けると思うのですが、いかがでしょうか。
翌2月24日、防衛省として、琉球新報社に対して官房長名で訂正を求める内容証明付きの申し入れ文書を送付しました。また、新聞協会に対して事務次官名で「正確・公正さに欠け、適正な報道を求める」との申し入れ書を送付しました。
琉球新報社には猛省を促すとともに、必ず選挙期間中に訂正記事を掲載することを求めます。

石垣市長選など (石破茂ブログ)※衆議院議員(自民党幹事長)

 石破 茂 です。
25日火曜日は沖縄県石垣市長選挙の街頭演説会に行って参りました。
年初の名護市長選挙で敗れているだけに、ここで我が党県連と公明党県本部が推す現職を何としても勝利させたいと願っていますが、告示日の23日に「陸上自衛隊の石垣島サッカー場への配備を検討、来月に決定」などという事実誤認の記事が現地紙一面トップに載ったことは極めて問題だと認識しています。
即日、防衛大臣よりそのような事実はない旨申し上げ、防衛省から内容証明付きで現地紙並びに新聞協会に抗議と訂正の申し入れを行ない、私も街頭で同趣旨を演説したのですが、当該現地紙はほとんどベタ記事扱いで、市民には「子どもたちのサッカー場に自衛隊の部隊が配備されるなどとんでもない!」という印象が強く残ったのではないかと危惧しております。
言論の自由が保障され、編集権が新聞にあることは厳然たる事実です。さりとてニュースソースも明かさずに根拠不明の記事を載せ、それに反する主張は相対的に小さくしか扱わないという姿勢には、社会の公器として残念なものを感じます。
新聞協会が「倫理綱領」を自ら定め、「新聞はあらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」「新聞は、自らと異なる意見であっても正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する」としている意味を考えるべきではないでしょうか。
放送法に関しても思ったことですが、民主主義と報道との関係はことほど左様に深くて難しい問題です。