高濃度汚染水「昨夏把握も公表せず」に東電が反論

2014年2月19日注意報一覧メディア:ジャンル:, , , テーマ:

▼東電が昨夏、福島第一原発付近の地下水から高濃度ストロンチウムの検出を把握しながら公表しなかったとの一部報道があった。だが、測定値に不確定要素があったため調査を行い、確定値として把握するまで時間がかかったとみられる。(訂正あり)

【時事】 2014/2/10「東電、昨夏把握も公表せず=500万ベクレルー福島第1の高濃度汚染地下水・規制委」

《注意報1》2014/2/19 12:40

《訂正》2014/2/19 21:00


《注意報1》 2014/2/19 12:40

時事通信は2月10日付で、東京電力が昨年7月、福島第一原発敷地内の地下水から1リットルあたり500万ベクレルのストロンチウム90が検出されたことを把握しながら今年2月まで公表せず、把握した時期について説明が変遷したかのように報じた。これに対し、東電は、分析結果が出たのは昨年9月で、不確定要素があったため原因究明を行い、数値が確定したのが今年2月だったと説明。原子力規制庁は、東電から分析手法についての説明が訂正された事実はあるが、把握時期の訂正があったわけではないとしている。

東電、昨夏把握も公表せず=500万ベクレル-福島第1の高濃度汚染地下水・規制委 (時事ドットコム 2014/2/10 23:25)

 東京電力福島第1原発で昨年7月に採取された地下水から1リットル当たり500万ベクレルのストロンチウム90が検出された問題で、東電がこの数値を同月中に把握していたことが10日、原子力規制委員会への取材で分かった。東電はこの値を今月まで公表していなかった。規制委へ報告した際にも、判明したのは最近と説明したが、その後把握した時期を訂正したという。
東電の説明が変遷したことで、同原発の汚染水濃度に関する不信感がさらに高まるのは必至。規制委は近く、東電から改めて詳しい説明を求める。

東電は、昨年7月5日に福島第一原発付近から採取した地下水から1リットルあたり500万ベクレルのストロンチウム90を検出したことを2月6日に公表。前日には、全ベータよりストロンチウム90の数値が上回る「逆転」現象について昨年から行っていた調査結果も公表していた。これに対し、時事通信の2月10日付報道は、東電が測定値に疑問をもち調査を行っていた事実には触れず「東電はこの値を今月まで公表していなかった」「汚染水濃度に関する不信感がさらに高まるのは必至」、あたかも東電が測定値を長期間隠蔽していたかのような印象を与える内容になっている。

東電は、この報道を受け、ホームページ上で事実関係についての見解を掲載し、問題となった地下水の分析結果を「昨年7月に把握していた事実はありません」と否定。東電が原子力規制庁に把握した時期についての説明を「最近」から「昨年7月」に訂正し、「説明が変遷した」と報じられた点についても「分析結果の把握時期を訂正した事実もありません」と説明した。東電によると、問題となった地下水の分析を開始したのは昨年7月26日で、「1リットル500万ベクレルのストロンチウム90」という測定値は9月12日に出たという。ただ、全ベータとストロンチウム90の値が逆転する現象がみられたため、「数値の確定ができず、原因究明が終了するまではデータの確定処理は保留していた」としている。

また、原子力規制庁も、日本報道検証機構の取材に対し、東電からは確定値として把握したのは2月6日と説明を受け、この把握時期の説明そのものが変遷したり訂正がなされた事実はないと回答。ただ、東電が測定結果について昨秋から取り入れた新しい分析手法(ピコベータ法)で実施したとの当初説明が誤りと判明し訂正された事実はあった。同庁担当者は、測定値が出た時期も誤解させる不正確な説明だったと指摘している。東電は過去に誤った測定値を公表して批判を受けたことがあり、疑問の残る未確定数値は公表せず、調査結果を待って数値を確定できた時点で公表したと考えられる。

平成26年2月10日 時事通信「東電、昨夏把握も公表せず=500万ベクレル―福島第1の高濃度汚染地下水・規制委」について (東京電力 2014/2/12)

東京電力ホームページ 2014年2月12日付

東京電力ホームページ 2014年2月12日付

福島第一原子力発電所におけるストロンチウム-90分析の評価について (東京電力 2014/2/5)
※ストロンチウム-90濃度が全ベータ放射能濃度を上回る状況(データの逆転)が散見されたため原因究明を実施したとして、調査結果が記載されている。

福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所) (東京電力 2014/2/6)
※資料5頁に、昨年7月5日採取した地下水の1リットルあたり「500万ベクレル」のストロンチウム90の測定値が「今回公表データ」として記載されている。全ベータはこの測定値を下回る「90万ベクレル」という数値になっている。

東京電力福島第一原子力発電所におけるストロンチウム90分析結果に係る面談(PDF) (原子力規制庁 2014/2/6)
※要旨の中に「公表した Sr-90 の分析結果は、従来手法(ガスフロー型比例係数装置による測定)ではなく、ピコベータ法にて実施。(後、従来手法にて測定と訂正)。 」と分析手法に関する東電の説明が変遷したことが記されている。(2014/2/19 21:00追記)

《訂正》原子力規制庁からの指摘を受け、「原子力規制庁は、東電から把握時期について誤った説明を受けた事実はないとの認識を示している」との記載を「原子力規制庁は、東電から分析手法についての説明が訂正された事実はあるが、把握時期の訂正があったわけではないとしている」に訂正しました。また、東電が測定結果について昨秋から取り入れた新しい分析手法(ピコベータ法)で実施したとの当初説明が誤りと判明し訂正された事実と、原子力規制庁担当者が「測定値が出た時期も誤解させる不正確な説明だった」と指摘している事実を追記しました。東電が説明を一部変遷させた事実はありましたが、「昨年7月に把握し、2月まで公表しなかった」との報道は、「昨年9月に測定結果を得たが、疑問のある数値だったため、調査を経て2月に公表するに至った」との事実関係と食違いがあるため、注意報は維持します。