「細川元首相に立候補促す」 池上彰氏「心外」と反論

2014年1月31日注意報一覧メディア:, ジャンル:テーマ:

▼ジャーナリストの池上彰氏が細川元首相に都知事選の立候補を促したかのような産経、朝日新聞の報道に対し、池上氏がコラムで「心外な記事」と指摘、事実関係について反論している。(追記あり)

【朝日】 2014/1/11朝刊2面「陰の主役は小泉氏 都知事選 細川氏に『立候補を』、池上氏からも提案」【産経】 2014/1/10朝刊3面「都議会自民が舛添氏推薦 細川元首相、出馬検討」、2014/1/12朝刊3面「都知事選2014 細川氏 与党再編狙う」

《注意報1》2014/1/31 19:00

《追記》2014/2/28 21:30


【都知事選2014】特集ページ

《注意報1》 2014/1/31 19:00

2月9日投開票の東京都知事選をめぐり、産経新聞は1月10日付朝刊で、ジャーナリストの池上彰氏が当時立候補を表明をしていなかった細川護煕元首相と会った際、「細川氏が出た方がよい」と立候補を促したと報じた。朝日新聞も11日付朝刊で、「細川氏に『立候補を』、池上氏が提案」と見出しをつけて同様に報道。しかし、池上氏は同紙の31日付朝刊で、自身のコラムを使い、細川氏と会った際、「あなたこそ選挙に出るのではないかと週刊誌が書いていますが、どうなんですか」と聞いたなどと事実関係を説明。立候補を「促した」との報道に対し「心外な記事」と反論している。

細川氏からの出馬打診に池上彰氏が逆提案「細川さんが出た方が…」 (MSN産経ニュース 2014/1/10 07:28)

MSN産経ニュース 2014年1月10日掲載(同日付朝刊にもほぼ同一の記事を掲載)

MSN産経ニュース 2014年1月10日掲載(同日付朝刊にもほぼ同一の記事を掲載)

細川元首相の出馬の背景 ねらう野党再編 (MSN産経ニュース 2014/1/12)

朝日新聞2014年1月11日付朝刊2面

朝日新聞2014年1月11日付朝刊2面

 細川氏が都知事選を意識した最初のきっかけは、小泉氏のアプローチだった。
関係者によると、田中秀征・元経済企画庁長官らを介して、細川氏と小泉氏が会った。その場で、小泉氏が都知事選への立候補を勧めたが、細川氏は「私は出ません」と断ったという。
しかし、田中氏や日本新党時代の関係者から、立候補を要請されるうちに、次第に本気になっていった。
今年になって、細川氏はジャーナリストの池上彰氏(63)ら数人と会食。そこで、細川氏は池上氏に「都知事選に出ないか」と勧めた。池上氏は「出ません」と断った後、逆提案した。「そんなことを言うならあなたが出たらどうですか」
細川氏は「いやいや、私は過去の人ですから」と話しながらも、まんざらでもない様子だったという。(以下、略)
(朝日新聞2014年1月11日付朝刊2面より一部抜粋)

池上氏は、毎月1回連載している「池上彰の新聞ななめ読み」というコラムで一連の報道を取り上げ、苦言を表明。31日付朝日新聞朝刊に「取材される立場になって 『裏をとる』大切さ再認識」と見出しをつけて掲載された。

池上氏はまず、10日付産経新聞が、池上氏が細川氏に立候補を促したかのように伝えた記事を取り上げ、「これには驚きました。記事は伝聞調。『促したという』になっています。新聞記者だったら、伝聞調の記事など書かず、本人に直接当たって確認をとるものだと思っていたのに、私への取材がないままの記事だったからです」と指摘。「ジャーナリストが、選挙で特定の人物に立候補を促す。中立であるべき立場の者が、決してやってはいけない行為です。心外な記事でした」と書いている。

その上で、池上氏は、細川氏と面会した際の事実関係について、次のように説明した。

 事実は以下のようなことです。
私は去年暮れに『池上彰が読む小泉元首相の「原発ゼロ」宣言』という本を出しました。この中で細川護熙氏にもインタビューしようとしたのですが、私の都合がつかず、編集者が代わって話を聞きました。お礼とおわびのあいさつをしなければと思っていたところ、細川氏から人を介して「会いたい」という話がありました。これはチャンス。1月6日、東京都内のレストランで食事をご一緒しました。このとき細川氏から「都知事選挙に出ませんか」との発言が出ました。私は、「出ませんよ。当日は都知事選挙のテレビの特番に出るんですから」と答えた上で、「それより細川さん、あなたこそ選挙に出るのではないかと週刊誌が書いていますが、どうなんですか?」と問い返しました。
(朝日新聞2014年1月31日付朝刊17面「池上彰の新聞ななめ読み」より一部抜粋)

この説明によれば、池上氏は細川氏に立候補する意思があるかどうかの事実確認をしたにとどまり、立候補を促したり勧めたりしたわけではないことになる。池上氏は、産経の報道の後、読売新聞、朝日新聞などの記者に事実関係を説明したが、11日付朝日新聞の記事も「産経新聞と同じニュアンス」になってしまったと述べている。

さらに、池上氏は、12日付産経新聞の記事で再び「細川氏が白羽の矢を立てたのはジャーナリストの池上彰氏。説得を進め、6日には直接会って出馬を要請したが、逆に自らの立候補を促された」と断定調で報じられたことも問題視。1月中旬、同紙に事実関係を説明するため複数回連絡をとったというが、コラムは「それ以降、私は産経新聞記者からの連絡を待っているのですが」という言葉で締めくくられている。(*)

朝日新聞2014年1月31日付朝刊17面

朝日新聞2014年1月31日付朝刊17面


(*) 池上彰氏は朝日新聞2月28日付朝刊「池上彰の新聞ななめ読み」で、産経新聞に連絡をとったが連絡をもらえなかったと指摘した点について、その後、産経新聞の政治部長から私にメールを送っていたとの連絡が来たことを明らかにした上で、私にはメールが届いていなかったとしている。(2014/2/28 21:30追記)