「ハノイで日朝極秘協議」 政府は全面否定

2014年1月29日注意報一覧メディア:, , , ジャンル:,

▼日本と北朝鮮の両政府がベトナム・ハノイで局長級の秘密協議を行ったと東京新聞など一部メディアが報道。しかし、政府は、協議に参加したとされる外務省局長の出張の事実も含め、全面的に否定している。(追記あり)

【毎日】 2014/1/28夕刊6面「日朝非公式協議 高官がベトナムで25、26日」、2014/1/29朝刊2面「日朝非公式協議 『拉致』進展は不透明 日本側『局長級』再開を模索」【産経】 2014/1/29朝刊6面「日朝極秘会談 ベトナムで」【共同】 2014/1/28「日朝がハノイで極秘接触か 日本側、拉致再調査要求」【東京】 2014/1/28朝刊1面トップ「日朝が極秘協議 1年2か月ぶり再開 拉致議題か 先週末ハノイで」、3面「北朝鮮改善意欲示す 張氏粛清の影響なし」

《注意報1》2014/1/29 21:30

《追記》2014/2/3 10:00


《注意報1》 2014/1/29 21:30

東京新聞は1月28日付朝刊1面トップで、日本と北朝鮮の両政府が25日と26日、ベトナムの首都ハノイで局長級の極秘協議を行ったと報じた。しかし、菅義偉官房長官と岸田文雄外相は28日の会見で全面的に否定している。

東京新聞は「日朝協議関係筋」の情報として、両政府当局者がハノイで極秘協議を行ったと断定的に報道。「日本側は伊原純一アジア太平洋州局長、小野啓一北東アジア課長が、北朝鮮側は宋日昊朝日国交正常化担当大使が参加する高レベルの話し合いが行われたとみられる」と伝えた。ただ、協議の具体的な内容は明らかになっていないとした。

この報道に対し、菅官房長官は28日午前の会見で「そのような事実は一切ありません」と強く否定。岸田外相は、協議に参加したと報じられた伊原局長がハノイに出張した事実もないと述べた。東京新聞は29日現在、政府側が報道を否定したことを伝えていない。

東京新聞2014年1月28日付朝刊1面

東京新聞2014年1月28日付朝刊1面

日朝協議:ベトナムで非公式に (毎日新聞 2014/1/28 13:00)

日朝非公式協議:「拉致」進展は不透明 (毎日新聞 2014/1/29 04:40)

日朝がハノイで極秘接触か 日本側、拉致再調査要求 (共同通信 2014/1/28 17:30)

政府側が報道を否定した後も、毎日新聞が日朝両政府が非公式に局長級の協議を行ったと断定的に報じたのをはじめ、共同通信と産経新聞も日朝協議が行われた可能性に言及した。読売新聞と日本経済新聞は、日朝協議について一切報じていない。

他方、朝日新聞は28日付朝刊で「日朝高官 ハノイで接触か」の見出しで報じたが、その後は続報していない。同紙は「日朝関係筋によると、両政府当局者による秘密協議が、26日から27日にかけてベトナムのハノイで行われたとの情報もある。日本政府側は日朝協議の可能性について否定している」と断定を避け、あくまで不確定情報として報道。さらに、「北朝鮮外務省の劉成日(リュソンイル)課長が、ハノイに滞在していた模様だ。劉氏以外の北朝鮮関係者の存在や接触自体は確認されていない」と、宋大使らが協議が参加したと報じた東京、毎日新聞とは異なる情報を伝えている。

ただ、菅官房長官は会見で、「安倍総理の強い決意のもとで、自ら拉致問題を解決したいとの思いの中で、ありとあらゆる可能性の中で全力を挙げて取り組んでいる」とも発言している。日朝間で局長級協議が行われていなかったとしても、何らかの協議が水面下で行われている可能性は否定できない。

日朝間では、2012年11月中旬に政府間協議が開催され、2回目の協議も12月に予定されていたが、その直前に北朝鮮の「人工衛星」と称する発射予告をしたため延期。以来、政府間協議が中断している。

菅義偉官房長官 記者会見(2014年1月28日午前) (首相官邸)

Q.先日ベトナムのハノイで日朝協議が行われたという報道がありますけれども、事実関係は確認していますか。
A.そうした報道を私ども承知しておりますけども、そのような事実は一切ありません。安倍政権としては、自らの手で拉致問題を解決したい、その固い総理の決意のもとにですね、ありとあらゆる可能性を模索しながら、今、全力で対応しているというところであります。
Q.現在、水面下においても、いかなる日朝協議も行われてないという理解でよろしいんでしょうか。
A.今、私、申し上げましたけれども、安倍総理の強い決意のもとで、自ら拉致問題を解決したいという思いの中で、ありとあらゆる可能性の中で全力を挙げて取り組んでいると、そういうところまでであります。
Q.外務省幹部がハノイ入りした事実もないんでしょうか。
A.そこについては、私は承知してません。

岸田文雄外務大臣 記者会見(2014年1月28日) (外務省)

Q.今朝の報道で、日朝がベトナムのハノイで接触したという話が出ているのですけれども、この事実関係についてお願いします。
A.その報道は見ました、承知していますが、そういった事実は全くありません。
Q.接触自体、なかったということでしょうか。
A.そういう事実はございません。
…(中略)…
Q.先ほどの日朝のハノイでの協議があったかどうかという話ですけれども、伊原アジア太洋州局長は、そうしますと、ハノイに出張していないということでよろしいのでしょうか。
A.少なくとも、私(大臣)はそういった事実は承知しておりません。
Q.それに関連してなのですけれども、真偽は別にして、日朝の対話が、日朝協議自体がかなり途絶えていますけれども、この必要性自体は、大臣は、対話を再開すること自体はどういうようにお考えでしょうか。
A.北朝鮮に対しましては、従来通り対話と圧力の方針に基づいて、核、ミサイル、拉致、こうした諸懸案を包括的に解決するべく努力をしていかなければならないと考えています。国際社会とも協調しながら、しっかりとしたメッセージを送り、そして、北朝鮮に非核化を含め具体的な行動を求めていきたいと思っています。こうした方針については、全く変わっておりません。
対話、そして、圧力、この二つの方針で、引き続き対応していきたいと思っています。
Q.先ほど、日朝協議の件で、伊原局長が出張していた事実について「承知をしていない」というようにおっしゃられたと思うのですけれども、事実関係そのものについてを否定されるとうことでしょうか。
A.事実はありません。
Q.ないということでしょうか。
A.はい、そういう事実はありません。

日朝高官、ベトナムで秘密協議か 日本政府側は否定 (朝日新聞デジタル 2014/1/28 08:40)


(*) 飯島勲内閣官房参与は、1月31日放送の「言論テレビ 櫻LIVE」で、一部メディアが報じた日朝極秘協議について調べたところ、「北朝鮮の指導部は私に『何も会っていない』と言ってきた」と述べ、事実ではないとの見方を示した。飯島参与は小泉内閣の首相補佐官で、2013年5月に訪朝している。産経新聞は、飯島氏の発言を2月1日付朝刊で伝えた。(2013/2/3 10:00追記)
飯島参与「100%嘘」 日朝高官の「極秘接触」で (MSN産経ニュース 2014/1/31 23:55)


【参考】

日朝関係 (外務省)