教育再生会議「国公立2次の学力試験廃止」提言せず

2013年11月7日注意報一覧メディア:ジャンル:,

▼毎日新聞が政府の教育再生実行会議で国公立大2次試験の学力試験廃止を検討すると大きく報じたが、同会議が発表した提言で学力試験廃止は盛り込まれなかった。会議でも廃止の検討はされなかったという。

【毎日】 2013/10/11朝刊1面「国公立大 2次の学力試験廃止 面接や論文に 人物重視 教育再生会議検討」

《注意報1》2013/11/7 08:00


《注意報1》 2013/11/7 08:00

毎日新聞は、10月11日付朝刊1面で「国公立大 2次の学力試験廃止 面接や論文に 人物重視」と見出しをつけ、政府の教育再生実行会議が国公立大入試の2次試験から教科型ペーパー試験を原則廃止することを検討すると報じました。しかし、同会議が10月31日発表した第4次提言では「2次の学力試験廃止」への言及はありませんでした。同会議事務局も当機構の取材に対し、「2次の学力試験廃止」そのものが同会議で検討、提案されたことはないとしています。

同会議が発表した第4次提言では、大学入学者選抜について、従来のセンター試験に代えて「達成度テスト(発展レベル)」の導入を提唱。各大学の個別の入学者選抜は「それぞれの大学の創意工夫により、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価・判定する入学者選抜に転換することが必要」とし、面接・論文なども取り入れた多様な入学者選抜への転換を求めています。他方、各大学のいわゆる2次試験については「各大学が個別に行う学力検査については、知識偏重の試験にならないよう積極的に改善を図る」と言及しているのみで、廃止すべきとは述べていませんでした。

毎日新聞は、下村博文文部科学大臣が同紙の単独インタビューで、2次試験について「大学の判断だが、2回も試験をしなくて済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の試験を2回も課す必要はない」と述べたことを踏まえて「2次の学力試験廃止」と報道。これに対し、下村文科相は11日の会見で、報道は正確でないと指摘し、教育再生実行会議で2次の学力試験廃止を提案する考えはないと述べていました。

毎日新聞は、11月1日付で教育再生実行会議の第4次提言の内容を詳しく報じましたが、10月11日付で報じた「2次の学力試験廃止」が盛り込まれなかったことについては言及していません。

国公立大入試:2次の学力試験廃止 人物評価重視に (毎日jp 2013/10/11 7:00)
国公立大入試:「知識偏重」より可能性発掘 (毎日jp 2013/10/11 7:00)

毎日新聞2013年10月11日付朝刊1面

毎日新聞2013年10月11日付朝刊1面

教育実行再生会議 第4次提言 (首相官邸)

(2)多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換
○ 大学入学者選抜は、各大学のアドミッションポリシーに基づき、能力・意欲・適性や活動歴を多面的・総合的に評価・判定するものに転換する。大学は、これからの時代の潮流や社会の在り方を展望して、養成する人材像を明確化し、教育を再構築する。そして、それを踏まえたアドミッションポリシーを具体化し、オープンキャンパス等の機会を積極的に活用するなどして、大学入学後の教育プログラムとともに示す。
○ 各大学が求める学力水準の達成度の判定には、各大学のアドミッションポリシーに基づき、達成度テスト(発展レベル)(仮称)の積極的な活用が図られるようにする。その際、利用する教科・科目やその重点の置き方を柔軟にするなど弾力的な活用を促す。各大学が個別に行う学力検査については、知識偏重の試験にならないよう積極的に改善を図る。国は、TOEFL 等の語学検定試験やジュニアマイスター顕彰制度、職業分野の資格検定試験等も学力水準の達成度の判定と同等に扱われるよう大学の取組を促す。
○ 各大学は、学力水準の達成度の判定を行うとともに、面接(意見発表、集団討論等)、論文、高等学校の推薦書、生徒が能動的・主体的に取り組んだ多様な活動(生徒会活動、部活動、インターンシップ、ボランティア、海外留学、文化・芸術活動やスポーツ活動、大学や地域と連携した活動等)、大学入学後の学修計画案を評価するなど、アドミッションポリシーに基づき、多様な方法による入学者選抜を実施し、これらの丁寧な選抜による入学者割合の大幅な増加を図る。その際、企業人など学外の人材による面接を加えることなども検討する。(第4次提言より一部抜粋)

下村博文文部科学大臣記者会見録(平成25年10月11日) (文部科学省)

Q.大学入試改革が行われまして、本日の報道の中で、大臣の方から、国公立大学の二次試験の学力、ペーパーテストを廃止したらどうかというふうな御発言があったということなのですけれども、その話についてお聞かせください。
A.正確には、二次試験で廃止ということではなくて、一次試験で学力調査を行うというか、今の入学試験ですね。ただ、これも1点刻みの一発勝負の入学試験において、21世紀に必要な人材育成という観点から、どのような意味があるのかが問われている中で、この学力テストの仕方について、今日、教育再生実行会議で議論をしてもらうことになっております。それ以外に、これから、高校時代のリーダーシップ活動をどの程度していたとか、ボランティア活動をしていたとか、学力以外の高校時代の活動等、トータル的に判断する中で、大学入学試験の在り方を考えていく必要があるのではないか。そういう観点から、二次試験等を更に課す場合には、面接試験や、あるいは、小論文等を含め、そういうことを行うべきではないかということを申し上げました。学力試験ということを、そのリーダーシップ能力とか、それから、ボランティアとかいうことで測れるという大学があるのであれば否定はしませんが、2回も3回も学力テストをするということについては、もう大きな方向転換に来ているのではないかという趣旨であります。

Q.今の入試の面で、国公立全体に対して二次試験、学力をなるべくやめた方がいいという、そういうふうな、教育再生実行会議で大臣として御提案なさるおつもりがおありなのでしょうか。
A. いや、具体的に今日提案するつもりはありません。ありませんが、今までの流れの趣旨としては、学力一辺倒の入学試験から脱皮する必要があるのではないかというのは、これは、教育再生実行会議の全体的な総意ではあると思います。