「つぶやき、当落左右せず」 学者コメント上書き訂正

2013年9月1日注意報一覧メディア:ジャンル:

▼日経新聞のニュースサイトにネット選挙解禁についての分析記事が掲載されたが、取材を受けた政治学者がコメントの間違いをブログで公表。その後、そのコメントを含め複数の個所が“上書き訂正”された。

【日経産業】 2013/8/29電子版「つぶやき、当落左右せず 政治学者がネット選挙解析」

《注意報1》2013/9/1 12:00

《訂正あり》2013/9/1 16:20


《注意報1》 2013/9/1 12:00

日経産業新聞は、日本経済新聞のニュースサイトで8月29日、「つぶやき、当落左右せず 政治学者がネット選挙解析」と題して、インターネットが解禁された2013年7月の参院選について、菅原琢・東京大学先端科学技術研究センター准教授のコメントをまじえた分析記事を掲載しました。その中で、「訴えたいことがはっきりしていた候補者や政党は、その訴えに共感する有権者から話しかけやすかった。そこにコミュニケーションが成立する素地があり、当選確率を高めた」という発言が菅原准教授のコメントとして引用されていましたが、准教授が「全く逆のコメント」と指摘。それからまもなく、記事が上書き修正されていたことが分かりました。当機構の調べで4個所の上書き修正が確認されましたが、電子版記事には訂正の説明はなされていません。

記事は、野村総合研究所が、276候補者や各政党が選挙期間中にツイッター公式アカウントで発信した「つぶやき」を分析し、菅原准教授がコメントしたもの。菅原准教授が「全く逆のコメント」と指摘していた箇所は、「野村総研の分析結果だけでは明確に言えないが、訴えたいことがはっきりしている候補者や政党はその訴えに共感する有権者から話しかけやすくコミュニケーションが成立しやすい」に書き換えられていました。

このほかに、ツイッターのつぶやきの分析を踏まえ、「つぶやきが多ければ有利になる、という結果にはならなかった」というコメントが「菅原准教授」のものとして引用されていましたが、コメントの主が「野村総研」に書き換えられていました。

また、「逆に、浮かび上がってきたのが、候補者とのコミュニケーションの比率が当落を左右したという事実だ。」という指摘のあと「『単にネットでの発信量が多いだけでなく、候補者と積極的に交流しようと試みた候補者がネット上で一定の評価を得た』というのが菅原准教授の見立てだ。」との記述がありましたが、この部分は「『ネットでの発信量が多くコミュニケーションも多い候補者が、ネットで一定の評価を得たのではないか』というのが菅原准教授の見立てだ。」に上書き修正されていました。

さらに、「票を取るために選挙期間中だけネットを活用するのは、割に合わない。…」というコメントが引用された後に「当落に影響が少なかったという理由だけでネット選挙をあきらめるのはもったいない」という菅原准教授のコメントが記されていましたが、ここも「今回の選挙結果だけでネット活用の可能性をあきらめてしまうのはもったいない」に書き換えられていました。

菅原准教授は、記事が掲載された当日に自身のブログに「全く逆のコメント」が掲載されていることを指摘し、日経産業新聞によるインタビュー原稿を菅原准教授が修正して返り返したとされる全文を掲載しています。

つぶやき、当落左右せず 政治学者がネット選挙解析 (日経産業新聞 2013/8/29 07:00)

日本経済新聞ニュースサイト2013年8月29日付(上書き訂正前)

日本経済新聞ニュースサイト2013年8月29日付(上書き訂正前、一部抜粋)

日本経済新聞ニュースサイト2013年8月29日付(上書き訂正後)

日本経済新聞ニュースサイト2013年8月29日付(上書き訂正後、一部抜粋)

菅原琢・東大)准教授のブログ(2013/8/29)

130829_sugawara_blog_u


(*) 菅原准教授のコメントが当初「今回の選挙結果だけでネット活用の可能性をあきらめてしまうのはもったいない」だったのが「当落に影響が少なかったという理由だけでネット選挙をあきらめるのはもったいない」に書き換えられていたと指摘した部分は、逆でした。当初は「当落に影響が少なかったという理由だけで…」で、書き換えられた後が「今回の選挙結果だけで…」でした。お詫びして訂正いたします。(2013/9/1 16:20)