「大阪都構想と相反する提言」 答申は両論併記

2013年6月25日注意報一覧メディア:ジャンル:, テーマ:

▼首相の諮問機関が大阪都構想と相反する提言を出し、都構想が険しい道のりにさらされていると産経が報道。しかし、審議で都構想と他の方策を比較検討された事実はなく、都構想に否定的な提言が出されるわけではないという。

【産経】 2013/6/20朝刊(大阪版)1面「都構想 内外に包囲網  政令市強化」

《注意報1》 2013/6/25 13:15

産経新聞は6月20日付朝刊(大阪版)の1面で、「都構想 内外に包囲網」の見出しをつけ、橋下徹大阪市長らが掲げる大阪都構想が険しい道のりにさらされていると報じました。その中で、地方制度調査会(内閣総理大臣の諮問機関)がまとめた答申で、大阪都の方向性と相反する政令市の権限強化につながる提言が出されたと指摘し、(大阪都構想と)「相反する提起」と位置付けた上で、今回の答申が「反大阪都構想の強力な武器になる」などと伝えました。そのため、この記事は、答申が、大阪都構想より政令指定都市の権限強化を優先すべきとの提言、あるいは大阪都構想に否定的な提言をしたかのような印象を与える可能性があります。

総務省のホームページには、第30次地方制度調査会が6月17日に協議した答申「案」が公表されています。この答申「案」には、記事で報じられているように、「指定都市が処理できるものについては、できるだけ指定都市に移譲する」ことを提言するなど、いわゆる政令市の権限強化の方向性が明記されています。他方で、大阪都構想を念頭においたとみられる「新たな大都市制度」も同時に検討され、「(昨年成立した)特別区の設置に当たっては、各地域の判断に委ねられる部分が多い」と断った上で、特別区設置の際の留意点を列記。政令市の権限強化と大都市構想が両論併記された形になっています。

当機構が総務省自治行政局の担当者に取材したところ、最終的な答申はまだ作成中だと指摘。ただ、地方制度調査会では、橋下市長らが掲げる「大阪都構想」そのものは議論の対象となっておらず、「政令市の権限強化」とともに「あらたな大都市制度」や「特別市構想」を並列的に協議したとのことです。答申「案」には「特別市構想」について、当面「政令市の権限強化」を目指すべきことが明記されていますが、「大都市制度」と「政令市の権限強化」については両者を比較検討した事実はないと回答。そのため、現在作成中の最終答申にも、公表された答申(案)と同様、「大都市制度」よりも「政令市の権限強化」を推奨する提言が盛り込まれることも、逆に「大都市制度」に否定的な見解が記載されることもないとのことです。

同担当者は「地方制度調査会で打ち出された政令市の権限強化と、あらたな大都市制度が相いれないものだとは考えていない」と話しています。

大阪都構想ピンチ!政令市強化の答申、大阪内外に包囲網 (MSN産経ニュース 2013/6/20 08:00)

産経新聞2013年6月20日付朝刊1面

産経新聞2013年6月20日付朝刊1面

第30次地方制度調査会第5回総会 (総務省 2013/6/17)※配布資料に答申(案)あり。

(*) 最終答申が発表されました。6月17日発表の答申案をほぼ踏襲しており、上記記述の変更はありません。(2013/6/25 22:00追記)
大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申 (総務省 2013/6/25)