東電賠償「包括請求、病院にも適用」は不正確

2013年6月6日注意報一覧メディア:ジャンル:, , テーマ:

▼東電が福島原発事故の損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を、これまで適用外だった避難区域の全病院にも適用すると地元紙が報道。だが、東電や病院関係者が否定している。

【福島民報】 2013/5/21朝刊1面「東電賠償『一括支払い』相双13病院に適用 総額120億円」「事業収入3億円超の団体 包括適用は初」

《注意報1》 2013/6/6 20:40

福島民報は5月21日付朝刊1面で、東京電力が、福島第一原発事故に伴う損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を避難区域の13病院全てに適用することを決めたと報じました。しかし、東電は「包括請求方式」を病院に適用すると決めた事実はないと否定しています。

「包括請求方式」とは、原発事故避難区域内の個人事業主や中小企業を対象に、2012年7月から2015年2月末まで(農林業者は2016年12月末まで)の営業損害を一括して請求できる方式。ただ、事業収入が3億円を超える法人は適用外とされています。

東京電力の広報担当者は、当機構の取材に対し、避難区域内の病院に個別に「まとめ払い」の対応を行うものの、従来の「包括請求方式」を適用するわけではないと否定。 賠償額算定基準や対象期間が「包括請求方式」と同じ基準になるか聞いたところ、「個別協議によって決めていくので、現時点では分からない」と回答しています。

また、記事では、「賠償の終期となっている平成二十七年二月分までの分を前払いする」「今回決まった一括払いの対象期間は今後二年程度となる」とし、支払総額は約120億円程度と試算しているとしています。しかし、東電によると、今回決めた病院へのまとめ払いは「包括請求方式」とは異なるため、対象期間も個別に協議するとした上で、支払総額の「約120億円」という数字も東電の試算ではないとのことです。

この報道をめぐっては、包括請求の適用対象とされた病院関係者が事実と異なると指摘していました。

福島民報2013年5月21日付朝刊1面

福島民報2013年5月21日付朝刊1面

東電賠償「一括支払い」 相双13病院に適用 総額120億円 帰還へ再建加速(福島民報

 東京電力は20日までに、福島第一原発事故に伴う損害賠償を一括で支払う「包括請求方式」を、避難区域が設定された地域の全病院に適用することを決めた。原子力損害賠償紛争審査会の指針を踏まえて設けた賠償基準で対象外とした事業収入が年間3億円超の病院についても、賠償の終期となっている平成27年2月分までの分を前払いする。総額は約120億円に上ると見込まれる。まとまった資金を確保して経営再建を急ぎ、住民帰還に備えてもらう。相双地方6市町の13病院が対象となる。

避難指示区域の見直しに伴う賠償の実施について(避難指示区域内) (東京電力 2012/7/24)
避難指示区域の見直しに伴う賠償の実施について(旧緊急時避難準備区域等) (東京電力 2012/7/24)

被災病院、東電賠償「一括払い」報道に反論 (医療介護CBニュース 2013/5/24 22:24)※全文閲覧は会員登録必要
福島第1原発事故の被災法人にまとめ払い (医療介護CBニュース 2013/5/21 12:44)
13病院に「まとめ払い」 東電、営業損害賠償応じる回答 (福島民友ニュース 2013/5/21)