汚染水漏れ 規制庁の問題発言を一部削除

2013年5月10日注意報一覧メディア:ジャンル:テーマ:

▼東京新聞が汚染水処理問題に対する原子力規制委の危機感が薄いとして「漏れている量が少ない」といった発言を批判的に報道。しかし、そうした発言はなかったとのおわび記事を掲載した。

【東京】 2013/4/10朝刊2面「核心 破綻した汚染水処理 規制委 危機感薄く」

《注意報1》 2013/5/10 07:00

東京新聞は、4月10日付朝刊で「破たんした汚染水処理 規制委 危機感薄く」との見出しを掲げ、福島第一原発の地下貯水池漏水問題に対する原子力規制委員会の対応について、報じました。その中で、4月9日に三ヵ所目の水漏れが明らかになった後、原子力規制委事務局の森本英香次長が「今後も地下貯水池の使用を認める」という方針を維持する考えを繰り返したと指摘。森本氏がその理由を「他に汚染水を貯める場所がない」「漏れている量が少ない」と説明した、と伝えました。この発言は、見出しでも「移送先なし」「漏れ少ない」と強調されていました。

しかし、同紙は4月23日付朝刊で、森本次長が「漏れている量が少ない」と説明したとした部分は誤りだったとして削除するとのおわび記事を掲載しています。同紙によると、その発言部分は次長と同時に取材した関係者のもので、発言の趣旨も異なるとのことです。

記事は、冒頭で「監視役の原子力規制委員会の危機感は薄く、貯水池の継続使用を認める考えだ。大丈夫なのか」と原子力規制委の対応に疑問を提起。規制委次長の「漏れている量が少ない」との発言は、問題ある対応の一例として取り上げられていました。

東京新聞2013年4月10日付朝刊2面

東京新聞2013年4月10日付朝刊2面

破綻した汚染水処理 規制委 危機感薄く 「移送先なし」「漏れ少ない」

…(前略)…
 *構造的問題
 九日午後一時過ぎ、規制委事務局の森本英香次長が「移送先の貯水池でも、汚染水が漏れたことを示すデータがあった」と第一報を発表した。
 これで汚染水が漏れた貯水池は三つ目。東電は、水漏れ地点は貯水池の上部で、水位を満水時の八割程度まで下げれば「安全」と強調していたが、今回は半分程度の水位で漏れが確認された。つまり貯水池には構造的な問題があるのか、施工時のミスなのか、いずれかの可能性が高まった。
 もはや汚染水貯蔵には使えないはずだが、規制委が指示したのは、データをさらに詳しく調べることだけ。
 森本氏は、八日に規制委の更田豊志委員が示した「今後も貯水池の使用を認める」という方針を維持する考えを繰り返した。森本氏はその理由を「他に汚染水を貯める場所がない」「漏れている量が少ない」と説明した。
 規制委よりも東電の方が貯水池の使用をためらい、空いている地上タンクをかき集め、なんとか緊急事態をしのごうと動いた。
 東電の対応を聞いた、規制委職員は「真水を入れるタンクに汚染水を入れるのですか? 汚染が新たなタンクに広がりませんか」と、水漏れで放射能汚染が広がることより、設備の汚染を心配した。(以下、略)
(東京新聞2013年4月10日付朝刊2面より一部抜粋)

東京新聞2013年4月23日付朝刊3面

東京新聞2013年4月23日付朝刊3面

(*) 注意報の見出しを「汚染水漏れ 規制庁の問題発言を一部削除」に訂正しました。東京新聞の記事は「原子力規制委員会」について報道していますが、おわび記事で削除の対象となったのは「原子力規制委員会」のメンバーの発言ではなく、事務局である「原子力規制庁」のメンバーの発言でした。原子力規制委員会は委員長と委員4名で構成される有識者組織であり、その事務局組織として原子力規制庁が設置されています。見出しは委員会メンバーの発言を削除したとの誤解を与えるおそれが高いため、訂正します。(2013/6/1 05:00)