遠隔操作 「無料ソフト作成」と断定的記載

2013年4月11日注意報一覧メディア:ジャンル:, テーマ:

【毎日】 2013/3/4朝刊28面「片山容疑者を再逮捕 PC遠隔操作 誤認事件で初めて」、2013/4/10夕刊9面「PC遠隔操作 再逮捕へ 園児襲撃メール送信容疑」


《注意報1》 2013/3/5 11:30

いわゆるPC遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部が3月3日、ハイジャック防止法違反などの疑いで片山裕輔さんを再逮捕したことを4日付各紙が報じました。このうち毎日新聞は、ウイルス感染させた男性のPCを遠隔操作し、航空機に「爆弾を持ち込んだ」とのメールを送り航空機を引き返させたなどの「再逮捕容疑」の内容を報じた上で、「男性は片山容疑者が作成した無料ソフトをネット掲示板からダウンロードした際、ウィルスに感染している。」と伝えました。

この記事は、片山さんが、遠隔操作ウイルス感染の原因となった「無料ソフト」を作成したと、あたかも既成事実であるかのように断定的に書いており、片山さんが真犯人であるかのように印象づけています。しかし、片山さんは2月10日の逮捕以後、一貫して事件への関与を否定しています。また、弁護人の佐藤博史弁護士によると、片山さんは「無料ソフトを作ったことは一度もない」と話しているとのことです。

当機構の調査では、これまで各紙の報道では、誤認逮捕された男性らがインターネット掲示板「2ちゃんねる」で無料ソフトをダウンロードしようとして、ウイルスに感染した、と報じられていましたが、「片山容疑者が作成した無料ソフト」と断定的な記載をしたのは、4日付毎日新聞が初めてです。

ネット殺人予告:PC遠隔操作 片山容疑者を再逮捕 誤認事件で初めて(毎日jp 2013/3/5)

毎日新聞2013年3月4日付朝刊28面

毎日新聞2013年3月4日付朝刊28面


《注意報2》 2013/4/11 15:00

いわゆるPC遠隔操作事件で、毎日新聞は4月10日付夕刊で、「PC遠隔操作事件 再逮捕へ」の見出しをつけ、警視庁など合同捜査本部が威力業務妨害と脅迫の容疑で片山祐輔さんの逮捕状を取ったと報じました。その中で、警視庁が福岡県の男性を誤認逮捕したことに触れたうえで、「男性は無料ソフトをダウンロードしようとして片山被告が仕組んだウイルスに感染。」などと遠隔操作ウイルスを仕組んだのが片山さんだと断定的な表現で書かれていました。

しかし、片山さんは容疑を全面的に否認しており、遠隔操作ウイルスを仕組んだのが片山さんであることを裏付ける証拠があったとの情報は確認されていません。

毎日新聞は3月4日付で再逮捕を報じた記事でも、今回の記事と同じように「片山容疑者が作成した無料ソフト」という断定的な表現を使っていました。

PC遠隔操作:片山被告、威力業務妨害容疑で再逮捕へ(毎日jp 2013/4/10)

 パソコン(PC)の遠隔操作事件でハイジャック防止法違反などの罪で起訴された片山祐輔被告(30)が、お茶の水女子大付属幼稚園(東京都文京区)やタレント事務所に脅迫メールが送られた事件にも関与した疑いが強まったとして、警視庁などの合同捜査本部が威力業務妨害と脅迫の容疑で逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材で分かった。近く再逮捕する。この脅迫メール事件をめぐって警視庁は昨年9月に福岡県の男性を誤認逮捕、その後謝罪していた。
 捜査関係者によると、片山被告は昨年8月27日、ウイルスに感染した男性のPCを遠隔操作し、お茶の水女子大付属幼稚園に襲撃予告メールを送って業務を妨害したほか、都内の有名子役タレント事務所にも脅迫メールを送った疑いが持たれている。
 男性は無料ソフトをダウンロードしようとして片山被告が仕組んだウイルスに感染。捜査本部の調べで、男性のPCに残っていた無料ソフトが一連の事件で使われた米国のサーバーに保管されていたソフトと一致することが判明したという。
(毎日新聞2013年4月10日付夕刊9面)

(*) 「毎日jp 2013/3/10」は「毎日jp 2013/4/10」の誤記でしたので、訂正しました。