「中国レーダー照射非公表」 野田前首相ら否定

2013年2月9日注意報一覧メディア:, ジャンル:, , テーマ:

【毎日】 2013/2/7朝刊1面「中国が挑発 東シナ海緊張 安倍首相、照射公表で対抗」【日経】 2013/2/7朝刊3面「対話機運と毅然外交 レーダー照射 官邸葛藤 中国、以前にも照射 民主政権公表せず」


《注意報1》 2013/2/8 07:30

日本経済新聞は、2月7日付朝刊で、民主党政権時代にも中国海軍艦船から自衛隊がレーダーを照射された事案があり、当時の野田佳彦首相や岡田克也副総理らの判断で公表しなかったと報じました。毎日新聞も、7日付朝刊で政府関係者のコメントとして「当時の野田政権は公表しなかった」と報じました。

しかし、野田氏は7日、民主党ホームページで「当時そのような事案の報告を受けた事実はなく、防衛省もそのような事実はなかったことを認めている」「まったく事実無根であり、きわめて遺憾である」とのコメントを発表。岡田氏も同日、日本経済新聞編集局長宛ての抗議文を提出し、副総理在任中に中国艦船からレーダを照射されたとの報告を受けたことなく、「公表を避けたということもあり得ません」と反論しています。

 発生当日に防衛省から一報を受けた首相官邸サイドは「中国に抗議して大丈夫か」とただした。護衛艦はレーダー解析装置を装備している。照射は数分間にわたっており、中国のフリゲート艦の照射であることはほぼ特定できていたが、完璧なデータをそろえて中国に反論の隙を与えない方針がとられた。
 民主党政権時代にも尖閣諸島国有化後に中国艦船からレーダーを照射された事実も明らかになった。当時の野田佳彦首相や岡田克也副総理らは「日中関係を悪化させたくないとの判断で公表を避けた」と関係者は語る。今回、安倍首相は5日に防衛省から最終報告を受けると「国際社会に知らしめる必要がある。悪質な事案はすぐに公表してほしい」と指示した。
(日本経済新聞2013年2月7日付朝刊3面「対話機運と毅然外交 レーダー照射、官邸葛藤」より一部抜粋)

野田佳彦前代表が中国レーダー照射事案の一部報道に「事実無根」のコメント(民主党ホームページ2013/2/7)

130207_noda_u貴紙掲載記事について(民主党衆議院議員岡田克也公式ブログ2013/2/7)

130207_okada

(*) 毎日新聞は、8日付朝刊5面で、野田前首相のコメントを伝えています。(2013/2/8 10:30追加)
レーダー照射:野田前首相「報告受けた事実ない」(毎日jp2013/2/7)

 


《注意報2》 2013/2/8 20:40

NHKの報道によると、防衛省の黒江運用企画局長が、2月8日開かれた自民党の会合で、民主党政権下で中国艦艇からレーダーの照射を受けた事案があったかどうか質問されたのに対し、「そうした事実は一切ない。不測の事態に発展しかねない、極めて重大な事態だとして、公表するのは今回が初めてだ」と述べたとのことです。

中国の照射否定は“受け入れられない”(NHK 2013/2/8 18:07)

また、8日に行われた衆議院予算委員会で、小野寺五典防衛大臣は、日本経済新聞の報道に関する事実関係を聞かれ、「ご指摘の報道のような野田首相や岡田副総理への報告の結果、公表を避けたとの事実はありません。今回の中国艦船によるレーダー照射の事案、それ以前に総理等まで報告の上、公表の必要があると判断された今回のような事案は発生しておりません。」と答弁しました。(*)

これを受け、民主党は8日、日本経済新聞社に対し、説明、謝罪、訂正記事掲載の申し入れを行ったとのことです。岡田克也前副総理もブログで、改めて「事実に反する記事を本人への確認もなく書いたということは、許されない」「社として検証するだけではなくて、記事が間違いであったことは謝罪し、きちんと新聞で報じる。それだけのことは、最低限すべき」と指摘しています。

中国レーダー照射事案の一部報道に説明・謝罪・訂正記事掲載を申し入れ 細野幹事長(民主党広報委員会2013/2/8)

日経・レーダー照射報道―事実に反し確認もない、検証と訂正を(民主党衆議院議員岡田克也公式ブログ2013/2/8)

130207_dpj(*) 民主党の日本経済新聞に対する申入れ文書を追加。(2013/2/8 23:00)

(**) 日本維新の会・中田議員の質問に対する小野寺防衛相の答弁を追加。(2013/2/8 23:20)
衆議院予算委員会(2013年2月8日)(衆議院TVインターネット中継:ビデオライブラリ)
衆議院予算委員会議事録(2013年2月8日)(衆議院)

 


《注意報3》 2013/2/9 12:00

日本経済新聞は2月9日付朝刊4面で、「民主党政権時のレーダー照射 防衛相、明言避ける」との見出しで、小野寺防衛相が民主党政権下でレーダー照射があったかどうかについて明言を避けたと報じました。その中で、7日付同紙で、民主党政権下でもレーダー照射があり、政治判断で公表を見送ったとの証言を掲載したことに触れた上で、7日に民主党の野田前首相が談話を出したことと、岡田副総理が同紙に謝罪と訂正記事の掲載を求める抗議文を送ったことについて事実関係のみを報じました。

しかし、記事は、小野寺防衛相が「ご指摘の報道のような野田首相や岡田副総理への報告の結果、公表を避けたとの事実はありません」と答弁したことや、民主党が細野豪氏幹事長名で説明・謝罪・抗議の申入れをしたことは報じておらず、訂正記事は掲載されていません。

また、日経と同様、「当時の野田政権は公表しなかった」と報じた毎日新聞は、9日付朝刊で小野寺防衛相の答弁について一切報じていません。

日本経済新聞2013年2月8日付朝刊4面

日本経済新聞2013年2月8日付朝刊4面