【山梨日日】 2012/11/11朝刊1面トップ「山梨大、全テキスト英語化」 【読売・山梨】 2012/11/13朝刊35面「山梨大 講義テキストを英語化 来春から段階的導入」
《注意報1》 2012/11/14
読売新聞は、11月13日付の山梨県版地域面で、山梨大学が2016年度までにほぼすべての講義を英語化することに決めたと報じました。この報道はニュースサイトにも掲載され、大きな反響を呼んでいます。なお、山梨日日新聞が11日付朝刊1面トップでも「山梨大、全テキスト英語化」の見出しで報道されていました。
■就職有利・不安…ほぼ全講義を英語化する国立大(Yomiuri Online2012/11/14 07:09)
山梨大(甲府市武田)は2016年度までに、ほぼすべての講義でテキストを英語の書籍とし、英語で講義することを決めた。
全学的な講義の英語化は、国際教育に特化した大学を除けば極めて珍しい。専門性の高い分野では、学生への負担増も課題となりそうだ。
同大総務課によると、英語化するのは、日本文学など日本語の使用が必須な科目を除く全講義。来春から段階的に導入し、4年後をめどに完全移行する。(以下、略)
しかし、この報道について、同大学の尾見康博准教授(心理学)が「具体的な内容については誤報といわざるを得ない点がある」と指摘しています。
山梨大学で授業を英語化するという問題について。私の立場から現段階で言えることは,大きな方向としてまったくの誤報とは言えないけれども,具体的な内容については誤報といわざるを得ない点があるということです。一例として「・・・英語で講義することを決めた」というのは事実と異なります。
— 尾見康博さん (@omiyas) 2012年11月14日
これについて当機構が山梨大学に問い合わせたところ、記事にあるように「10月にグローバル推進会議で英語化を徐々に進めていく方針を決めた」ことは事実であるものの、具体的な時期や英語化する授業の範囲は決まっておらず、「2016年度までに日本語の使用が必須の授業を除く全講義で英語化することを決めた」という事実はないとのことです。大学としては、記事の主要部分が事実と異なると認識しており、記事への対応は検討中、としています(同大学総務広報課)。
(*) 原報道の画像を追加しました。(2012/11/14 19:00)
(**) 山梨日日新聞の記述と画像を追加しました。(2012/12/23 0:30)
《注意報2》 2012/12/7
山梨大学が「テキストを英語化する」「全講義を英語で行う」等に関する報道について、12月6日、ホームページ上に、「誤って伝えられた点も多い」として説明文を掲載しました。
これによると、「4年間で、ほぼすべての講義でテキストを英語の書籍とすることを決めた」「2016年度までに、ほぼ全ての講義を英語ですることを決めた」等の報道については、いずれも「誤って伝えられている内容」だとしています。
■「テキストの英語化」に関する報道について(山梨大学 2012/12/6)